ラビットホール

「ラビットホール」見ました

製作・主演のニコールキッドマンが、2011年の第83回アカデミー賞&ゴールデン・グローブ賞主演女優賞にダブルノミネートされた作品です。ブロードウェイで上演された舞台劇の映画化で、舞台でベッカを演じたのは「SEX AND THE CITY」のミランダ役でおなじみシンシア・ニクソンですが、映画化にあたりキャストが変わるというのはよくある話です。

ラビットホールのエピソード

ニコールキッドマンは、ラビット・ホールのためにウディ・アレン監督作への出演が決まっていたにもかかわらず、スケジュールがかぶったことから降板したという噂も。それほどこの映画に懸けていたので、全米での絶賛レビューやアカデミー賞をはじめ各映画賞の主演女優賞にノミネートされたことは彼女にとってとても喜ばしいことだったでしょう。ニコール・キッドマンの繊細な演技に注目です。

ストーリー

閑静な住宅街に暮らすベッカ(ニコール・キッドマン)とハウイー(アーロン・エッカート)のコーベット夫妻。8か月前、2人は一人息子ダニーが道路に飛び出して交通事故に遭い失っていた。それ以来、2人の心には埋めようのない欠落感が生まれていた。妻のベッカは妹の妊娠も素直に喜べず、夫に誘われて行ったグループセラピーでも苛立ちを隠せなかった。ダニーとの思い出を大切にして前に進もうとするハウイーとは対照的に、亡き息子の面影に心掻き乱されるベッカ。同じ痛みを共有しながらも、夫婦の関係は少しずつ綻び始める。ある日、ベッカは車の中から見かけた少年の後をつけた。少年はジェイソン、ダニーを車で轢いてしまった高校生だった。彼もまた心に傷を負っていた。やがて二人は交流を持つようになる。一方、ハウイーは妻とは別の女性に安らぎを求め……。

ラビット・ホールはウサギの穴??

ラビットホール?ウサギの穴・・・題名にもなっている「ラビットホール」とは、「不思議の国のアリス」でウサギを追いかけてアリスが落ちたウサギの穴であり、またジェイソンが平行宇宙の概念に基づいて自作しているコミックの題名でもあります。不思議の国に迷い込んでしまったアリスのように、子どもの死をきっかけに今までとは別な世界に迷い込んでしまったという事なのかも知れません・・・その様な表現が合っているのではないかと思いました。

どんな映画?

ラビットホールは、大きな感動が押し寄せるという感じではありません。この映画では、幼い子供を事故で亡くしてしまった夫婦の「その後」を描いた物語です。その夫婦はそれぞれに前に進もうという思いがあり、夫婦が悲しみと寄り添いながらも生きていく決意をするまでを繊細に描いた作品です。息子を事故で失った深い悲しみと、そこから何とかして立ち直らなくてはいけないと理解しつつも思い通りにならないもどかしさがジワリと心に染みる良作です。悲しみの癒し方は人それぞれ、だから親切心だとしても無理に「癒す方法」を勧めてはいけないのかもしれません。それぞれ違う癒し方があるのですから。悲しみの渦の中にいる時はそれを探すのは難しく、だけどそれでも生きていたら、痛みが軽くなることもあり、そのことについて考える時間が減ってくるのです。

監督と出演者

ラビットホールは「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のジョン・キャメロン・ミッチェル監督がニコール・キッドマンを主演に迎え、愛するわが子を失った母親の悲痛な再生への道のりを繊細に描いたヒューマン・ドラマ。共演にアーロン・エッカート、ダイアン・ウィーストが出演してます。先程も述べましたが、ニコールキッドマンはこのラビットホールでアカデミー賞とゴールデングローブ賞で主演女優賞にノミネートされています。

見どころ

愛するものを失った悲しみ。それが愛する自分の子だったら。その喪失感は限りなく大きい事でしょう。ラビットホールはそんな夫婦の物語子どもを失った悲しみから再生する作品は数多くありますが、大抵の場合は母親の気持ちの落ち込みだけにフォーカスが当たることが多いです。ラビットホールではきちんと父親の気持ちも描き出している所が新しいかもしれません。ハウイーも表面上はベッカほどではないものの、夜、自分のスマートホンに保存した息子の動画を一人観ては想い出に浸っています。言うまでもなく、彼の言うとおり「僕だって当事者」であり悲しいに決まっているのです。

作品概要

このラビットホールはとても心に残る作品でした。郊外の閑静な住宅街に暮らすベッカ(ニコールキッドマン)とハウイー(アーロンエッカート)のコーベット夫妻。彼ら幸せな生活が一変したのは8か月前。一人息子ダニーが道路に飛び出して交通事故に遭い、わずか4歳でこの世を去ってしまったのです。それ以来、2人の心には埋めようのない欠落感が生まれていました。ダニーとの思い出を大切にして前に進もうとするハウイーとは対照的に亡き息子の面影に心掻き乱されるベッカ。同じ痛みを共有しながらも夫婦の関係は少しずつ綻び始めます。救いを求める道のりがすれ違ってしまっているのです。ここで、二人が言い合いするシーンがあるのですが、ニコールキッドマンとアーロンの渾身の芝居に、心に深い傷を負った二人の気持ちが痛いほど伝わり、複雑な感情に苦しくなるほどです。

ノミネート

虚飾を一切そぎ落とし、ごく普通の女性の複雑にして起伏に富んだ感情を、繊細かつリアルに表現したニコールキッドマンの演技は全米で絶賛され、ニコールキッドマンにとって「めぐりあう時間たち」以来8年ぶりのアカデミー賞主演女優賞ノミネート作品となりました。

葛藤する主人公

ラビットホールでは、最愛の子供を亡くしたという重みから「救われたい」「次に進みたい」思いはあるのに、その方向が一緒ではない事からの様々な迷いや葛藤が描かれています。妻は忘れたい。夫は子供の思い出を抱いて生きて行きたい。そして、妻の母親を始めとした子供を亡くした経験者の「その後」の日々や思いもまた違った形をしています。妻はそれに共感出来ない事も、忘れられない思いからとってしまう行動も「苛立ち」に形を変えてしまう・・・すべてが葛藤なのです。

深い言葉

作品中で「子を亡くした悲しみは消えるの?」との娘の問いに母(ダイアン・ウィースト)が答えるその言葉が、「ポケットに入った大きな石。はじめは重くって歩けなかったわ。でもそれは少しずつ小さくなっていって、少しずつ歩けるようになるの。そして、そのうち普通に運べるようになる。たまにその石がポケットに入っていることを忘れる時もあるわ。でもね、ふと思い出してポケットの中を覗くと・・・そこにあるの。やっぱりね。」この母親の言った通りに、小石になる日は必ずやってくるからと、希望を持たせてくれる作品です。ニコールキッドマン演じる妻の母親を演じたダイアン・ウィースト。相変わらず素晴らしい女優です。

プロデューサー

ラビット・ホールは、ニコールキッドマンがプロデューサーを努めています。この原作に惚れこんだニコールキッドマンは自ら映画化に奔走し、自身初のプロデュース&主演の大役を担ったのです。彼女の映画製作会社ブロッサム・フィルムのデビュー作でもあります。脚本を舞台脚本も手がけたデヴィッド・リンゼイ=アベアーに依頼し、監督には『ヘドヴィク・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェルを抜擢するなど、そのプロデューサー手腕はなかなかのものかもしれません。

PG12指定

ラビットホールが「PG12指定」なのは少し疑問です。※PG12=12歳未満(小学生以下)の鑑賞には不適切な表現(性・暴力・残酷・麻薬描写・ホラー映画)が含まれるものには、成人保護者の同伴が適当という意味。親の指導付きならいいという事ですが、一人で考えることも大事だと思いますけどね。マリファナを吸っているシーンがあったからそれがまずいという事なのでしょうか。

作品案内

  • 原題:“Rabbit Hole”
  • 制作:2010年 アメリカ映画
  • 監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
  • 音楽:アントン・サンコー
  • 撮影:フランク・G・デマルコ
  • 製作:ニコール・キッドマン、レスリー・アーダング
  • 衣装:アン・ロス
  • 編集:ジョー・クロッツ
  • 字幕翻訳:太田直子

キャスト

  • 二コール・キッドマン
  • アーロン・エッカート
  • ダイアン・ウィースト
  • マイルズ・テラー
  • タミー・ブランチャード
  • ジャンカルロ・エスポジート
  • サンドラ・オー

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